映画ファイナンス入門(資金調達の現実)

映画は “作品” であると同時に “金融商品” です。投資家が買うのは夢ではなく、回収の道筋リスクの低さ。 このページは、資金調達の主要ルートを “日本語で理解できる形” に整えます。

資金の種類:エクイティとデット

まずここを混ぜると地獄になります。違いを固定しましょう。

  • エクイティ(出資):成功したら増える可能性。失敗したら戻らない可能性。
  • デット(借入):返済が先に決まる。担保・金利・条件が鍵。
注意:初心者が最初にやるべきは “借金” より “成立” 借入は、回収の見込みや担保がないと条件が悪化します。まずは規模と出口を合わせる。

映画でよく使う 5 つの資金ルート

作品規模によって比率が変わります。

  1. エクイティ出資(個人・ファンド)
  2. プリセール(地域販売を先に契約)
  3. 税控除/インセンティブ(州・国の制度)
  4. 配給ミニマム保証(MG)(条件が合う場合)
  5. ギャップ/ブリッジ(不足分を埋める短期資金)

投資家が最初に見るもの(ここで落ちる)

あなたが情熱を語る前に、投資家は “事故の可能性” を見ます。

  1. 出口:配給ルート(配信/劇場/セールス/映画祭)
  2. パッケージ:監督・主要キャスト・制作体制
  3. 予算の妥当性:現実に撮れるか、燃えないか
  4. 回収構造:誰が何を優先回収するか(recoupment)
  5. リスク低減:権利・保険・完成・日程

税控除/インセンティブ(概説)

「もらえるお金」ではなく「条件付きの回収」です。制度の読み違いは致命傷。

  • 撮影地・雇用・支出の条件が細かい
  • キャッシュ化に時間が掛かる(ブリッジ資金が必要なことも)
  • 監査・書類が重い(体制が必要)

プリセール(先に売る)

将来の売上を “契約” に変える手法。パッケージが強いほど成立しやすい。

  • 地域ごとに販売(海外市場含む)
  • セールス会社や代理店が絡む
  • 条件により “ギャップ” を埋められる

まとめ:資金調達で勝つ人の共通点

  • 予算を “出口に合わせる”(規模が合っている)
  • パッケージで信用を積む(人が強い)
  • 回収構造を短く説明できる(お金の理解がある)
  • 書類が整っている(ワンページ、ピッチ、予算、権利)
次にやることピッチデッキ を作る → ② 予算レンジを固定 → ③ 回収構造を説明できるようにする。
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